僕がリアル書店に足繁く通う2つの理由
最近ではもっぱらAmazonで買うことが増えた書籍。今月に入って買った9冊を見てみてもAmazonが7冊、リアル書店が2冊とネットの圧勝であります。昔はほとんどリアル店舗で買っていましたが、暇な時間が少なくなるにつれてだんだんAmazonにシフトしてきたように思います。電子書籍も著作権などの問題が解決されるにつれて今後はますます増えていくでしょうし、リアル店舗の書籍売上というものは明らかに減少トレンドですよね。
なんだかこの展開だと出版ビジネスの今後みたいなものを大上段から語り始めそうですが、今日書きたいと思っているのは単なる僕の経験談からリアル書店にはこんな良いところがあると思うんだよねということです。
それほど突飛な内容ではありませんし、まあそうだよねと言われるのが目に見えていますが、普段ほとんどネットでしか本は買いませんという人が、たまには本屋に行ってみようかなと思ってくれれば幸いであります。
1.セレンディピティ
セレンディピティ(英: serendipity)は、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運をつかみ取る能力のことである。(Wikipedia)
セレンディピティの説明はWikipedia先生にお譲りして、リアル書店でのセレンディピティってのはどういうことかを説明していきますね。
少し話は脱線しますが、皆さん新聞は読みますか?ちなみに僕は読んでいないのですが(※新聞を読むべきか否かというのは非常に議論の分かれるところでありまして、紙幅の関係で割愛します)、新聞を読むべき派の人々の意見によくあるのが自分の興味の無い記事との出会いがあるというもの。
新聞はレイアウトの関係上、自分の興味のない記事も自然と目に入ってきます。たまたま目に入った記事になんとなく興味を持って読んでみることで、今まで自分は知らなかった分野や出来事を知ることができ、世界が広がる、と。これが新聞におけるセレンディピティというわけです。
これは非常に有益なことだなと思っているのですが(僕が新聞を読んでいない理由は他にあります)、同じことがリアル書店にも言えるのではないでしょうか。
僕の本屋の利用方法が特殊なのかもしれないのでまず先に特徴を説明しておくと、
- 何か特定の買いたい本があって本屋に行くわけではない
- 行きつけの本屋が何軒かある
- 本屋に入ったらまず前回来店時との店内レイアウトの変化やランキング構成を見る
- 店内のどこにどの領域があるのかを覚えておいて、全てのコーナーを順番にあてもなく回っていく
という感じです。この方法で本屋を徘徊していると、オッと思う本に何冊か出会います。オッと思う理由は様々なんでしょうが、普段の生活の中で気になってはいたが意識の上には上がっていなかったキーワードを目にして、一気に知的好奇心を掻き立てられるといった感じでしょうか。なので、僕にとってあてもなく本屋を回る時間は最高に知的に楽しい時間だったりします。
この本がスゴい!2013: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるのDainさんも以下のように書いております。
人生は短く、読む本は尽きない。
せめて「わたし」が知らない凄い本と出合うべく、それを読んでる「あなた」を探す。このブログに込めた意味であり、このブログを通じて数え切れないほど「あなた」に教えてもらった。
ともすると自分の興味を森羅と取り違えがちなわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重で重要だ。そんな「あなた」のおかげで、ネットやリアルを通じて出会い、ここ一年で読んできた中から選りすぐりを並べてみる。
思いもよらない良書との出会いは、案外近くの本屋さんで起きるかもしれません。
2.興味領域の整理
2つ目に挙げさせていただくのは興味領域の整理であります。基本的には世界の全てに興味がある僕ですが、そうは言っても興味の度合いに差はありますし、人生は有限なので全てを知ることは叶いません。自分の過去の経験に規定されて、各個人によって重要な分野は異なってくるでしょう。
問題は、自分の興味領域を探すというのは、果てのない自分探しとほぼ同じようなもので、雲をつかむようで、意味が無いような、そんな営みだということです。だからあまり深みにはまるのはお薦めしない。そこで僕が辿り着いた1つの方法をご紹介しておきます。
そもそもこの方法はビズリーチの南壮一郎さんの著書を読んでから始めました。
本の中では『1000のやりたいことリスト』を作るという風に紹介されています。日々の生活の中で「やりたい!」と思ったことをメモしていき、後々から読み返してみたり、整理してみたりすることで自分の本当にやりたいことが見えてくるといった感じです。
人間の感情というものは本当に複雑にできていますから、ある時すごい興味を持ったことでも、後々考えてみるとそれほどでもなかったということがよくありますよね。日々の生活の中での自分の感情の動きのログを取っていき、後から冷静に分析することで少しづつ本当に自分に近づけるような気がします。
で、これが本屋と何の関係があるのって話ですね。
先ほど申し上げたように、本屋には沢山のキーワードが散らばっていて、それを見ることで深層心理に沈んでいた興味が認識されることがあります。本屋を回りながらアッこれ面白いと思ったキーワードを、スマホとかにメモしていきます。大体全てのコーナーを回りきると大変な量のキーワードが貯まっていますから、あとは帰って重複などを省いたり、あれやこれやと整理していきます。
最初のうちは本当にとりとめもなさすぎて嫌になりましたが、何度も続けているうちに、毎回メモしている領域が同じことに気づきました。こうなれば自分の興味領域タグの完成であります。回数を重ねる毎にノイズが消えていって、純度が増していく感覚でした。
色々興味があり過ぎて器用貧乏みたいな人にはぜひお薦めの方法です。
あー、参考になりましたでしょうか。明らかに後半だれてきている気がします。
時間ができたら校正しますので、何卒ご容赦を。それでは。